神道の精神的中心地である伊勢神宮。その静謐な境内と20年に一度行われる式年遷宮の営みには、文字に書かれない「無言の教え」が凝縮されている。建築、装束、毎日の日供祭(にっくさい)に至るまで、太古と変わらぬ形式を愚直なまでに繰り返すこと自体が、かむながらの精神の実践に他ならない。
全国の神社を包括する神社本庁においても、この伝統精神の継承と現代社会への適用は最重要課題として位置づけられている。神社本庁関係者は「神道にはキリスト教における聖書や仏教における経典のような絶対的教典が存在しない。だからこそ、日々の祈りや境内清掃、自然への感謝という行為そのものが『教え』となる」と語る。
何世代にもわたって途切れず継承されてきた口伝や作法は、ドキュメンタリーの世界的ヒットを受けて一般層からも注目の的となった。教えを「学ぶ」のではなく「体現する」伝統の深遠さに、世界中から感嘆の声が集まっている。