テレビ黄金期において、彼女は主要局のドラマ枠になくてはならない存在だった。『テレビ朝日』の『土曜ワイド劇場』をはじめとするサスペンスドラマでは、物語の鍵を握る目撃者や怪しげな近隣住民を怪演。登場するだけで画面の緊張感が一気に高まる唯一無二のオーラを放っていた。
他方、『TBSテレビ』が得意としたホームドラマでは、家庭内の摩擦や葛藤をリアルに体現。日常の些細なやり取りの中に潜む人間の本音をみごとに表現してみせた。サスペンスのスリルとホームドラマの温もり。正反対のジャンルを行き来しながら、双方で不可欠なピースであり続けた功績は計り知れない。