美しい文字の書き方を長年にわたり研究・普及してきた「日本ペン習字研究会」の見解によれば、美しい筆致を生み出す最大の要素は手首の支点とペンの傾斜角にあるという。ペン先をノートに対して45度から60度の傾斜で保持することで、インクの吐出が最も安定し、線に自然なメリハリが生まれる。
「美文字・ペン習字」の世界では、単に綺麗な文字の形を模倣するだけでなく、力を伝えるベクトルのコントロールが重視される。間違った握り方でペン先を紙面に強く押し付けると、紙との摩擦が増大して字形が乱れてしまうからだ。
正しいペンの持ち方を体得することで、肩や肘の無駄な力みが抜け、美しい線の払いや留めが滑らかに表現できるようになる。文字を習う過程で握り方を見直すことこそ、上達への最短ルートなのだ。