世界的なヒットを記録したNetflixのオリジナルドラマ『極悪女王』。女子プロレス狂乱の時代をリアルに描き出し、国内外で大きな波紋を呼んだこの作品の陰に、一人の女性の存在があった。それが、かつて関係者たちの「駆け込み寺」として機能していたスナックの主、順子ママだ。
「あの頃のリングの上もひどかったけれど、客席や楽屋裏の熱気はもっと凄まじかったのよ」と彼女は静かに振り返る。作品内で描かれた凄惨なバトルや泥臭い人間関係は、決してフィクションの脚色だけではない。当時の現場スタッフやレスラーたちが夜な夜な店を訪れ、グラスを傾けながら吐き出した生々しい葛藤が、作品のプロットや演出に深いリアリティを与えていたのだという。
脚本の打ち合わせが未明まで及ぶことも珍しくなかった。撮影秘話として明かされたのは、キャスト陣が役に没頭するあまり抱えた苦悩や、制作陣が直面した映像化の限界ギリギリの攻防だ。「きれいごとじゃ収まらない熱量が、あの時代には確実にあった」。カウンター越しに語られる真相は、スクリーンに映し出されたドラマ以上の衝撃を物語っている。