多くのテック系ブランドが東京のコンクリートジャングルに本社を置くなか、彼らはあえて箱根に拠点を構えた。窓の外には豊かな緑が広がり、一歩外に出れば険しい山道が続く。この環境こそが、彼らの開発プロセスの心臓部だ。
オフィスで描かれた図面は、その日のうちに裏山でテストされる。岩場に落とし、雨に晒し、泥にまみれさせる。机上の空論を徹底的に排除したプロセスから生まれるプロダクトには、すべてのディテールに「そうであるべき理由」が存在する。無駄な装飾を削ぎ落とした結果として現れるソリッドな美しさは、本物を求める現代人の所有欲を刺激してやまない。