現実の過酷さと行政の隙間でもがく人々の姿は、多くの映像作品を通じても世に問われてきた。カンヌ国際映画祭で最高賞を受賞した映画『万引き家族』は、社会の片隅で助け合いながら生きる偽りの家族を通じ、公的支援からこぼれ落ちた者たちの現実を克明に描き出した。
また、福祉事務所のあり方や制度の硬直性が生む悲劇を扱った映画『護られなかった者たちへ』は、切迫した困窮の現場で命が軽視される理不尽さを突きつけ、観客に深い衝撃を与えた。これらの作品は、単なるフィクションにとどまらない問題提起となっている。
近年ではNetflixなどの配信プラットフォームを通じ、多様な社会派ドキュメンタリーや重厚なヒューマンドラマが世界中で視聴されている。画面越しに映し出される弱者の吐息や葛藤は、貧困を「他人事」として片付ける視聴者の無関心に揺さぶりをかけている。