NASA(米航空宇宙局)とJAXA(宇宙航空研究開発機構)は、地球接近天体の監視網を警戒モードへ引き上げた。急ピッチで進められる軌道計算の裏には、宇宙科学・天文学業界全体に広がる独特の緊迫感がある。学術的な好奇心だけでは済まされない。地球防衛(プラネタリー・ディフェンス)の現場は、ミリ秒単位の軌道誤差を争う最前線だ。
高精度レーダーと宇宙望遠鏡が追うのは、微細な光度の変化とベクトルのズレ。小惑星や隕石が秘める密度や組成のばらつき、さらには太陽風による微小な推進力変化まで、計算式に組み込まれるパラメータは無数に及ぶ。