政策の最前線で陣頭指揮を執る官僚と、カメラの前で光を浴び続ける表現者。住む世界が完全に異なっていた二人が出会った場所、それこそが政府の重要会議だった。内閣府が主導した議論の場において、民間議員として招聘された菊池桃子と、事務局の中心的役割を担っていた新原浩朗は、初めて対峙することになる。
当時、経済産業省の要職に就いていた新原浩朗は、妥協を許さない緻密な仕事ぶりで知られ、官僚社会の中でも異彩を放つ存在だった。一方の菊池桃子は、自身の育児経験や障害者雇用に関する深い見識を持ち寄る真摯な態度で会議に臨んでいた。一見すると交わるはずのない二つの視線が交差し、互いの知性と人柄に深い敬意を抱くまでに、そう時間はかからなかったという。