一方、長女の内田伽羅は、映画『あん』で見せた透明感あふれる演技が今なお語り継がれている。スクリーンに映るだけで観客の情操を揺さぶるような佇まいは、まさに天性のものだ。しかし、彼女は幼少期から学業を優先し、イギリスへの留学を経て自らの見識を深く掘り下げてきた。
安易にメディアへ露出し続ける道を好まず、自らの探求心に従ってアートや学問の世界で時間を重ねる選択は、極めて彼女らしい。父である本木雅弘も、娘が持つ鋭い美意識や一歩引いた視点からの観察眼には一目置いているという。女優として、そして一人の表現者としての才能は、時間をかけることでより一層の深みを増している。