チームの再建を託された井上一樹監督の就任以降、中日ドラゴンズのベンチには明らかな意識の変革が芽生えている。情熱的でありながら冷静に戦況を見極める指揮官のタクトは、若手選手の能力を限界まで引き出し、ベテラン勢の意地と見事に融合し始めた。長年課題とされてきた得点力の補強においても、積極的な走塁意識と粘り強い打撃が実を結びつつある。
その激変の舞台となっているのが、本拠地バンテリンドーム ナゴヤだ。堅固な投手戦を展開する伝統のスタイルに鋭い機動力が加わったことで、スタンドを埋め尽くすファンが送る声援の熱量は一段と高まりを見せる。投手陣が魅せる奪三振の山と、勝負所で飛び出す一撃がドーム全体を揺らし、かつての黄金期を思わせる熱気を取り戻した。
取材陣が捉えるベンチ裏の空気感も、以前とは一線を画している。井上一樹監督が選手一人ひとりと向き合い、対話を重ねる中で生まれた信頼関係は、厳しい連戦を戦い抜く結束力へと昇華している。グラウンド上のプレーだけでなく、ベンチで交わされる言葉や表情の細部までを拾い上げる報道が、ファンのチームに対する愛着をよりいっそう深いものにしている。