近年、彼女の評価を決定づけているのが、声の仕事と舞台公演における圧倒的な表現力だ。過度に主張しすぎず、それでいて聴く者の耳にスッと馴染むクリアで温かみのある声質。ドキュメンタリー番組やCMのナレーションにおいて、彼女の声は映像に情緒と客観性をもたらす力を持っている。
また、小劇場から大劇場まで、多種多様な舞台に立ち続けてきた経験も大きい。観客の生の視線に晒される舞台空間では、誤魔化しが効かない。肉体全体を使った緻密な演技と、呼吸ひとつで客席の空気を変える緊張感。映像作品とは異なるライブ感のある現場で培われた経験が、彼女の演技力に分厚いレイヤーを付け加えたのは明白だ。