メガヒットを記録した『推しの子』がNetflixなどを通じて世界的に視聴されたことで、華やかなエンターテインメントの裏に潜むタレントの搾取構造や精神的負荷について、一般層の解像度も一気に高まった。
日本のアイドル産業は長年、ファンとの疑似恋愛的な距離感や親しみやすさを武器に成長してきた。しかしその親密性が時に「アイドルの身体に対する無遠慮な視線」を正当化してしまう歪みを生んでいたことも事実である。衣装のトラブルを面白おかしくネット上で共有・消費する行為は、演者にとって重大な人権侵害であり、精神的なトラウマを残しかねない。
作品が提示した鋭い批評性は、旧態依然とした視線でコンテンツを消費し続ける受け手側にも、重い問いを突きつけている。