彼女の才能を世界へと接続させたのは、間違いなく名匠たちとの出会いだった。映画監督の是枝裕和に見出され、ドラマ『ゴーイング マイ ホーム』での瑞々しい存在感を経て、カンヌ国際映画祭パルムドール受賞作『万引き家族』に出演。セリフの背後に隠された人間の哀歓を自然体で醸し出す佇まいは、当時から異彩を放っていた。
その才能をさらに決定づけたのが、河瀨直美監督の映画『朝が来る』である。14歳で望まぬ妊娠をし、葛藤の果てに愛する我が子を手放すこととなる少女・片倉ひかり役を熱演。言葉にできない焦走感と絶望、そしてほのかな希望を見事に表現し切った。第44回日本アカデミー賞新人俳優賞をはじめ数々の映画賞を総なめにしたその姿は、濃密なヒューマンドラマを支える圧倒的な演技力を証明してみせた。