干潮時に姿を現す広大な砂泥地――干潟。ここは満潮と干潮が交互に訪れることで形成される、地球上でもっとも生産性の高い生態系の一つだ。アサリやカニ、多毛類などの底生生物が豊富に生息し、それを求めて渡り鳥が世界中から飛来する。
干潮時には太陽光が底質に届いて珪藻類が光合成を行い、満潮時には海水が酸素と栄養塩を供給する。この自然のろ過装置とも言えるサイクルが、沿岸域の水質を強力に浄化している。しかし、埋め立てや沿岸開発、さらには潮位変動パターンの変化によって、干潟の面積は世界的に減少傾向にある。
2026年、保全団体や研究機関はAIを用いた干潟モニタリングシステムを本格導入。潮の満ち引きに伴う水質や生物群集の変化をリアルタイムで追跡し、再生事業へ役立てる試みが世界中で加速している。