ラストシーンでアッシュが胸に抱き続けた奥村英二の手紙は、二人の関係性を決定づける本作最大のハイライトです。手紙には日本行きの航空券が同封されており、傷つき孤立していたアッシュに対する無償の肯定と愛が綴られていました。
英二が手紙に記した「My soul is always with you(僕の魂はいつも君とともにある)」という一節は、物理的な距離や国境、さらには生と死の境界線すら超越した精神的結びつきを意味しています。IQ200を超える頭脳を持ちながら誰一人信じることができなかったアッシュに対し、英二は一切の見返りを求めず、ただ一人の対等な人間として寄り添い続けました。
手紙を読んだアッシュが流した涙とこぼれた笑みは、自分がこの世に存在した意味を英二によって完全に肯定された証でした。たとえ肉体が滅びようとも、英二の魂と共にある限り自分は二度と孤独ではない――その確信が、アッシュに死への恐怖を忘れさせ、幸福な眠りへと導いたのです。