こうした空前の歴史ブームを追い風に、学術の最前線でも革新的な発見が相次いでいる。国内外の歴史学者や文化財修復の権威が結集した「リーフデ号渡来史プロジェクト」は、最新の3Dデジタル解析と放射性炭素年代測定を用いて木像の構造分析を敢行した。
判明した最新研究成果は実に刺激的だ。像に使用されたオーク材の伐採時期が1590年代前半の北欧産であることが裏付けられただけでなく、像の背面に残されていた微細な着色痕から、往時の船尾装飾が眩いばかりの色彩を纏っていた事実が浮き彫りになった。さらに、徳川家康が三浦按針(ウィリアム・アダムス)から提出させた船載品目録の原本の再解釈により、リーフデ号に積まれていた大砲や火薬が関ヶ原の戦いにおいて実戦投入されていた可能性を示す新史料も発見された。渡来秘話の裏に潜む軍事・外交上の駆け引きが、最新科学の手によって次々と暴かれつつある。