医療の現場において、ベルトはあくまで補助的な医療福祉用具あるいはサポートギアという位置づけだ。産婦人科医たちの間でも、日常的な腰痛予防や歩行時の安定感獲得には有効であるとする意見が多い一方で、装着するだけで自動的に「骨盤矯正」が完了するわけではないという冷静な見方が定着している。
日本産婦人科学会の発信する知見やガイドラインにおいても、産後の回復期における過度な圧迫への注意が呼びかけられている。骨盤底筋群の自然な回復を妨げないためには、ベルトに完全に依存するのではなく、段階的なストレッチや体幹の軽度なエクササイズを併用することが推奨される。受動的な締め付けと能動的な筋肉の再教育、このふたつのバランスこそが健やかなリカバリーの鍵を握る。