西武新宿エリアの喫茶店シーンを語る上で欠かせないのが、純喫茶のレジェンド「珈琲西武 本店」の動向です。1964(昭和39)年の東京オリンピック開催年に創業し、新宿東口のランドマーク「メトロ会館」で59年にわたり愛されてきた同店は、ビルの建て替え計画に伴い2026年8月末に一旦幕を閉じました。当時、SNS上では「昭和の灯が消えた」と惜しむ声が殺到しましたが、同年10月、歌舞伎町の新ランドマーク「ハナミチ東京 歌舞伎町」2階へと電撃移転を果たしました。 公式発表資料および運営関係者の証言によると、移転のコンセプトは単なる現状維持ではなく「古いが新しい」の追求でした。旧店舗の象徴であった天井のステンドグラスや、職人の手作業による赤いベルベットのソファ、重厚な柱時計といった内装資材を丹念に移設・再構築。新店舗ではこれまでのレトロ情緒を保ちつつ、多様化するニーズに応えて新たに個室ブースを完備するなど、現代的なホスピタリティを融合させています。
現在提供されているメニューにおいても、妥協なきクラフトマンシップが貫かれています。創業時からのレシピを守るサイフォン抽出のブレンド珈琲(850円前後)、自家製デミグラスソースが絡む特大オムライス、そしてコーンや旬のフルーツがダイナミックに盛られた名物「西武パフェ」は、往年の常連客だけでなく、昭和レトロをリアルタイムで知らないZ世代の心も掴んでいます。グルメサイトの口コミ分析では「内装の再現度が極めて高く、旧本店の記憶が鮮明に蘇る」「席間がゆったりしており、商談からプライベートまで安心して使える」と、ポジティブな反響が8割以上を占めています。