「昔の日本人女性に比べて胸が大きくなった」という噂は、都市伝説ではなく確固たる事実です。大手メーカーが長年公表しているトリンプ下着白書データを振り返ると、1980年にはAカップの売上比率が全体の約58.6%を占め、Bカップが約25.2%、Cカップ以上はわずか16%程度に過ぎませんでした。それが40年以上の歳月を経て完全に逆転しています。
この劇的な大型化の背景には、主に3つの要因が存在します。
第1に、食生活の欧米化に伴う体格の向上です。成長期における動物性タンパク質や脂質の摂取量が増加したことで、平均身長や体格が底上げされ、皮下脂肪がつきやすくなりました。
第2に、下着の設計進化と「集肉」機能の向上が挙げられます。1980年代以降、日本産業規格(JIS)に基づいた立体裁断技術が発展し、脇や背中に流れていたお肉をカップ内に収める構造が定着しました。胸本来の容積をカップとして捉え直す技術が進化したのです。
第3に、女性のフィッティングに対する意識変化です。「自分は小さいからAカップ」と思い込んでいた層が、店頭での専門的なプロの採寸を受けるようになり、本来の適正サイズ(CやD)を着用するようになった点もデータ上の数値を押し上げた大きな要因です。