すべての始まりは1980年に公開された『映画ドラえもん のび太の恐竜』であった。当時、小学館の「月刊コロコロコミック」で連載された大長編をもとに制作されたこの作品は、日常の延長線上にある異世界への旅立ちを描き出し、日本中を熱狂させた。
原作者である藤子・F・不二雄が求めたのは、単なる子供向けのエンターテインメントにとどまらない本格的なSFファンタジーの構築だった。「SF」とは彼にとって「すこし・ふしぎ」を意味していたが、大長編映画においては地球の歴史、宇宙の神秘、環境問題、さらには命の尊厳といった深いテーマが盛り込まれた。太古の恐竜と少年との絆を描いた原点の精神は、今なお新作へと受け継がれる普遍的な哲学となっている。