司法書士の経済的な実情はどうなっているのでしょうか。日本司法書士会連合会の実態調査や各種賃金データから見えてくるのは、平均値だけでは推し量れない凄まじい所得格差です。
勤務司法書士(事務所に雇われる形態)の場合、初任給は月給25万〜35万円前後、平均年収は450万〜600万円程度で推移しています。一般的な会社員と比較して著しく低いわけではありませんが、試験の超高難度ぶりを考慮すると「割に合わない」と感じる受験生が少なくありません。
一方、独立開業した司法書士の年収はまさに青天井です。全体の約2割強が年収1,000万円以上を稼ぎ出し、中には数千万円から1億円超の売上を誇る大規模法人も存在します。その反面、営業力不足から年収300万円未満にとどまる個人事務所も一定数存在しており、個人のビジネススキルが年収に直結するシビアな市場です。
なお、廃業率に関しては巷で噂されるほど高くはありません。司法書士は仕入れコストや在庫リスクがほぼ発生せず、自宅兼事務所でスモールスタートできるため、赤字で倒産するケースは稀です。廃業の多くは高齢による引退や他事務所への合流であり、「食えなくて破産する」というイメージは誇張されたものと言えます。