セキセイインコ(Melopsittacus undulatus)はオーストラリアの乾燥地帯原産の鳥類であるが、長年の品種改良を経て家庭で飼育される現代の個体は、野生下とは異なる繊細なケアを必要とする。インターネット上に氾濫する個人の真偽不明な体験談や過去の古い慣習を無批判に受け入れることは、雛を重大な危機に晒す。
命を守る確かなエビデンスを得るためには、日本鳥類臨床研究会(JCVA)や日本獣医師会(JVMA)に所属する専門医が発信する学術的知見を指標とすべきだ。これらの臨床機関では、最新の症例データに基づく感染症予防策や栄養管理基準が随時更新されている。
かつて一般的とされていた「アワ玉をお湯でふやかして与えるだけ」の飼育法は、重度の栄養失調や脚弱症、ビタミン欠乏症を引き起こす高リスクな手法として現在の獣医学界では完全に否定されている。時代とともに正しい飼育技術は進化しているという事実を認識したい。