桐野夏生のメガヒット小説を映像化した1999年のドラマ『OUT〜妻たちの犯罪〜』。この作品で飯島直子が魅せた演技は、それまでの彼女のイメージを根底から覆すものだった。深夜の弁当工場で働く平凡な主婦たちが、ある事件をきっかけにドロドロとした犯罪の深淵へと足を踏み入れていく極上のミステリーである。
彼女が演じた山本雅子は、華やかな見た目の裏に生活苦や複雑な人間関係の闇を抱えた女性だ。緊迫したサスペンス展開の中で、ふとした瞬間に魅せる怯えと開き直り。そのリアルな表情の揺れに、全盛期のテレビドラマファンは言葉を失った。単なる「マドンナ役」から本格派女優へと完全な脱皮を遂げた記念碑的アクトである。