フッ化カルシウムの毒性は危険?フッ素の誤解と物性の真相

フッ化カルシウムの毒性は危険?フッ素の誤解と物性の真相

フッ化カルシウムの毒性は危険?フッ素の誤解と物性の真相に関する疑問や疑問点を初心者にも親しみやすくまとめました。要点を確実におさえることができます。

フッ化カルシウムは自然界に蛍石(フローライト)という鉱物として豊富に存在し、古くから人類の産業に不可欠な素材として重用されてきました。

最も身近で高度な用途が、カメラの超望遠レンズや天体望遠鏡、半導体露光装置のステッパーに用いられる蛍石光学レンズです。人工結晶として育成された高純度フッ化カルシウムは、異常部分分散性という特殊な光学特性を持ち、光の波長による色にじみ(色収差)を極限まで低減します。高級カメラのレンズを素手で触ったり使用したりしても、人体に毒性被害が及ぶことは物理構造上あり得ません。

また、製鉄工程では融点を下げて不純物を除去する融剤(フラックス)として大量に消費されています。

一方で、工場等から排出されるフッ化カルシウムを含む排水やスラッジ(汚泥)に関しては、厳格な廃棄基準と環境規制が敷かれています。

  • 水質汚濁防止法の排水基準:フッ素及びその化合物としての一律排水基準は海域以外で8 mg/L、海域で15 mg/Lと定められています。
  • 土壌汚染対策法・溶出基準:土壌溶出基準はフッ素として0.8 mg/L以下です。

難溶性のフッ化カルシウムであっても、大量の廃棄物が水中に滞留すれば環境基準値(水質基準は0.8 mg/L)を超えるイオンが徐々に溶出するリスクがあるため、産業廃棄物(鉱さい・汚泥)として適正な管理型処分場への埋め立てや凝集沈殿処理が義務付けられています。

木村 陽翔
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木村 陽翔

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。