回を重ねるごとに進化を遂げた屁理屈は、物理学や熱力学の法則を都合よくねじ曲げたゼロカロリー理論の歴代名言一覧としてネット上にアーカイブ化されています。代表的な手口は以下の4系統に分類されます。
第一に、形状に着目した論理です。代表格であるドーナツは真ん中が空洞だからカロリーゼロという主張は、「真ん中の穴に向けてカロリーが吸い込まれ、最終的に空気中に霧散する」という驚愕のメカニズムを語り、丸い形状のベーグルやバウムクーヘンにまで適用範囲を拡大しました。
第二に、圧縮による消滅論です。コンビニスイーツの定番を前に伊達氏が見せたカステラを潰して食べる理由は、「手でペシャンコに押し潰すことで、生地に含まれるカロリーが外へ押し出されるから」というもの。体積が極限まで減った状態を指して「ほら、見てください。潰したら小さくなったから実質ゼロです」と真顔でカメラに見せる所作は、もはや伝統芸の域に達しています。
第三に、温度差を利用した物理法則の無視です。濃厚なバニラやチョコレートを口に運びながら放つアイスは冷たいからカロリーゼロは、「カロリーとは熱量(kcal)の単位である以上、冷たく凍っているものに熱量が存在するはずがない」という、言葉の定義を悪用した詭弁でした。
さらに「揚げ物は高温の油で揚げている間にカロリーが熱に耐えきれず蒸発する」「新幹線の中で食べれば、猛スピードで移動しているためカロリーが追いついてこない」など、ゼロカロリー理論の矛盾と爆笑エピソードは枚挙にいとまがありません。あり得ないと分かっていながら、あまりの語り口の鮮やかさに誰もが聞き入ってしまう魔力がそこにあります。