ひと口にイタチと言っても、その生態と生息域には明確な違いがある。かつて日本全国に広く分布していたニホンイタチは、体長が小ぶりでオスでも30センチ前後、メスは20センチ程度にとどまる。一方、主として西日本から都市部へと生息域を急速に拡大させたチョウセンイタチは一回り大きく、オスは体長40センチ近くに達することもある。尻尾の長さが胴体の半分以上を占める場合はチョウセンイタチである可能性が高い。
この2種の識別は単なる生物学的な興味にとどまらず、後述する捕獲手続きや対策の法的根拠においても極めて重要な意味を持つ。いずれの種も非常に高い運動能力を持ち、直径わずか3cm程度の穴や隙間があれば、頭部をすり抜けて屋根裏へ侵入してしまう。住宅の通風口や瓦の隙間、配管の導入部などは、彼らにとって格好の玄関口となってしまうのだ。