タイパ(タイムパフォーマンス)を重視し、効率的な消費を好むはずの若者たちが、なぜわざわざ泥臭いフリーマーケットに集まるのか。答えは「一点モノ」との出会いにある。ファストファッションの大量消費に飽きた10代後半から20代の若者にとって、山積みにされた古着の中から自分だけの宝物を探し出す作業は、最高のエンターテインメントなのだ。
「アルゴリズムにレコメンドされた服を着るのに疲れた」と、都内の大学に通う男性(21)は語る。彼の手には、1990年代のナイキのスウェットが握られていた。値札はついていない。店主のおじさんとの交渉の末、1500円で手に入れたという。効率化された現代社会において、この無駄とも思える時間こそが贅沢なのだ。