「生ビールには生きた酵母が入っているから体にいい」という言説を耳にすることがあるが、これは半分正しく、半分は誤りだ。大手メーカーの一般的な缶の生ビールは、前述の通り精密なろ過によって酵母がほぼ完全に取り除かれている。そのため、缶の中で酵母が生きているわけではない。
しかし、一部のクラフトビールや「無ろ過」を謳う製品には、あえて酵母を残したまま出荷されるものもある。これらは冷蔵保存が必須であり、時間とともに味わいが変化していく。この「管理の難しさと引き換えに得られるフレッシュな風味」こそが、本来の意味での「生きたビール」の魅力と言えるだろう。