主役を張るということは、作品のクオリティだけでなく、現場の士気をも左右する。鈴木亮平が素晴らしいのは、自身の役作りに没頭しながらも、周囲への目配りを決して怠らない点だ。エキストラの一人一人に声をかけ、スタッフの労をねぎらう。彼の現場は常に温かく、かつ心地よい緊張感に満ちている。
「自分が良い芝居をするためには、周りの全員が最高の状態でなければならない」。そう語る彼の姿勢は、独りよがりの芸術家ではなく、集団芸術としての映画を愛する職人のそれだ。彼と仕事をしたクリエイターたちが、口を揃えて「また彼とやりたい」と語る理由がここにある。