親からの虐待やネグレクト、家庭崩壊、激しい経済的困窮。さまざまな事情によって実の親と暮らすことができない子供たちが身を寄せる場所、それが児童養護施設だ。古原靖久もまた、そうした過酷な環境の中で幼少期から多感な時期を過ごした一人である。
集団生活の中で常に周囲に気を配らざるを得ない緊張感、プライベートな空間の不在、そして何より「なぜ自分には家族がいないのか」という消えることのない自己存在への疑問。施設内で直面するリアリティは、幼い心に癒えがたい傷を刻み込む。しかし彼は、その過酷な現実の中で生き抜く強さを育んでいった。