千代の富士貢は、1955年6月1日、北海道松前郡福島町で漁師の家に生まれました。幼少期から海で鍛えられた足腰と抜群の運動神経を誇り、中学時代には陸上競技の走り高跳びや三段跳びで地方記録を塗り替えるほどの身体能力を発揮していました。
その並外れた素質に目をつけたのが、同郷の偉大な大横綱であり九重親方(元横綱・千代の山)でした。熱心なスカウトを受け、1970年秋場所に15歳で初土俵を踏みます。入門当初は体重が80キロ前後と力士としては極めて軽量でしたが、俊敏な動きと鋭い出足で頭角を現し、1975年には19歳の若さで新入幕を果たしました。
その後、数々の試練を乗り越えて1981年名古屋場所後に第58代横綱へ昇進。小兵力士が横綱へと登り詰めるドラマは日本中に大きな勇気を与え、昭和後期から平成初頭にかけて相撲界の絶対王者として君臨することになります。