チケキャンの崩壊は、刑事責任の追及と法改正という形で日本のエンターテインメント業界の法秩序を大きく塗り替えました。
チケキャン事件の裁判結果として、フンザの元社長らは商標法違反などの罪で略式起訴され、罰金刑が科されました。また、親会社ミクシィの経営陣も役員報酬の返上や減給処分を受けるなど、上場企業としての社会的信用に甚大な打撃を被ることとなりました。
この事件が社会に与えた最大のインパクトは、高額転売規制の法制化を決定づけた点にあります。2016年に音楽事業者4団体が「私たちは音楽の未来を奪うチケットの高額転売に反対します」と共同声明を出して以降、転売問題は国会でも議論されていましたが、チケキャンの摘発と閉鎖を契機に法制化への動きが一気に加速しました。
結果として2018年12月に議員立法で「特定興行入場券の不正転売の禁止等による興行入場券の適正な流通の確保に関する法律(チケット不正転売禁止法)」が成立し、翌2019年6月に施行。興行主の同意のない有償譲渡の禁止や、定価を超える高額転売に対して刑事罰(1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金、またはその両方)が科される厳格なルールが確立されました。