「難儀」「迷惑」「面倒」はいずれもトラブルや煩わしさを連想させる言葉ですが、話者の視点や感情のベクトルには明確な違いが存在します。
「迷惑(めいわく)」は、他人の行為によって不利益や不快感を被る客観的な状態を指します。被害者と加害者の構図がはっきりしており、「他人に迷惑をかけるな」というように他責・自責の責任関係が前面に出やすいのが特徴です。
「面倒(めんどう)」は、物事を進めるにあたって手間がかかり、心理的に億劫であるという「主観的な煩わしさ」に焦点を当てた言葉です。危険や深刻な苦痛が伴うとは限らず、「手続きが面倒だ」といった日常の軽微な負担に対して気軽に使われます。
対して「難儀(なんぎ)」は、当事者が直面している「困難さや苦しみそのもの」に重きを置きます。単なる手間の多さを超えて、肉体的・精神的・状況的な苦境を伴うケースに適しています。また、「それは難儀だったね」と他者の苦労に同情・共感を示すニュアンスを持たせやすい点も、迷惑や面倒とは異なる大きな特徴です。