ネット上の掲示板やSNS、知恵袋の投稿を詳細に定性分析すると、大分の家族風呂に対しては「一般的な大浴場では味わえない安心感がある」「ここを知ると他の温泉に行けなくなる」といった熱量の高い感想が目立ちます。なぜこれほどまでに特定の層を惹きつけるのか、現場の実態を取材しました。
乳幼児を抱える子連れ世帯にとって、大浴場は常にストレスと隣り合わせの空間です。「子どもが泣き出したら周囲に申し訳ない」「床で滑って転ばないか片時も目が離せない」という切実な声が数多く寄せられています。しかし、別府や大分の家族風呂の多くは脱衣所から浴室までが完全な密閉・独立構造となっており、ベビーベッドや滑りにくい畳敷きの洗い場を備えた施設も増加しています。取材に応じた生後8カ月の男児を持つ母親は、「湯加減を蛇口の水で自由に調節でき、子どもがバチャバチャと音を立てても誰からも白い目で見られない。育児中の親にとって、本当の意味で息が抜ける唯一の避難所です」と語ってくれました。
一方、カップルや若年層のペアからは、プライベートな情緒と泉質の本格感を両立できる点が絶大な支持を得ています。「由布院の日帰り個室露天は、宿に泊まると1泊1人3万円以上するクラスの源泉を、日帰りなら数千円で静かに堪能できる」「由布岳を眺めながら二人きりで湯に浸かる時間は何物にも代えがたい」といった声がSNS上で拡散され、週末のデートコースの定番として定着しています。他人の視線を一切遮断した空間だからこそ、自然体でパートナーとの対話が深まるという心理的効果も見逃せません。