リラポートを巡っては、情報が錯綜していることからネット上で幾つかの根拠のない噂が独り歩きしています。取材によって確認された事実を基に、それらの誤解を是正します。
まず流布しているのが、「すでに民間ホテルグループへ売却され、グランピング施設に建て替えられることが決定した」という噂です。結論から言えば、これは完全な誤報です。敦賀市は民間活力の導入を視野に入れ、サウンディング型市場調査(民間事業者との対話による活用アイデアの募集)を実施した経緯はありますが、特定の事業者に売却が成立した事実は一切ありません。
また、「老朽化が酷いため解体が確定した」という言説も正確ではありません。確かに敦賀市議会において解体撤去という選択肢が議論の俎上に載ったことはありますが、解体するだけでも概算で数億円以上の公費が必要と試算されています。巨額の解体費用を投じて更地にするのか、それとも再整備して活かす道を探るのか、市当局はいまだ最終的な決断を下し切れていません。
盲点となっているのは、「温泉の源泉設備と権利の維持」という物理的制約です。温浴施設を完全に廃止した場合、地下深くまで掘削された源泉井戸の埋め戻しや維持管理、配湯権の整理など、単なる建物の取り壊しにとどまらない法的・環境的コストが発生します。この複雑な権利関係と維持義務の存在が、安易な解体を思いとどまらせる防波堤となっています。