野球ファンであっても混同しやすいのが「完全試合」と「ノーヒットノーラン(無安打無得点試合)」の境界線です。両者の間には、記録上きわめて大きな隔たりが存在します。
ノーヒットノーランは、相手チームに「安打」を許さず無失点で勝利する記録です。そのため、四球や死球、味方の野手によるエラー、あるいは第三ストライク捕逸(振り逃げ)などで走者を出しても、安打を打たれていなければ成立します。
対して完全試合の成立条件は極めて厳格です。
① 先発投手が試合開始から終了まで1人で投げ抜くこと(9イニング以上)
② 相手打者を1人も出塁させないこと(被安打0、四死球0、失策による出塁0、打撃妨害や振り逃げ等もすべて不可)
③ 相手打者27人を連続して完全にアウトに仕留めること
どれほど圧倒的な投球を続けていても、味方の送球エラーが1つ出た瞬間、あるいは判定が際どいボール球で四球を1つ出した瞬間に、完全試合の権利は永遠に消滅します。投手の卓越した球威・制球力に加え、味方野手の堅守、審判の判定、そして運のすべてが完璧に噛み合わなければ決して達成できない神域の記録です。