見た目の美しさと食べやすさを両立させた「ミルフィーユ鍋」は、いまや冬の食卓における金字塔となった。だが、単に交互に重ねて切れば良いというものではない。ここにもプロならではのこだわりが隠されている。
ポイントは肉と野菜の密着度とカットの幅だ。白菜の葉と白菜の葉の間に、豚バラ肉を隙間なく一枚ずつ丁寧に挟み込んでいく。この際、白菜の向きを交互に入れ替えることで厚みを均一に保つのがコツだ。幅は4から5センチメートル程度に揃えて切り分け、鍋の縁から中心に向かって垂直に敷き詰めていく。
加熱によって豚バラ肉の脂が溶け出し、上下の白菜へとダイレクトに染み込んでいく。葉の柔らかい部分と、軸のザクザクとした歯ごたえ。二つの食感が交互に押し寄せる快感は、密着度の高いミルフィーユ構造だからこそ実現できる醍醐味だ。