今回の出版プロジェクトの核となったのは、所属レコード会社の倉庫から奇跡的に発見された未公開のフィルム缶だ。これまで世に出ることのなかった、レコーディングスタジオでのふとした微笑みや、ロケ地での移動中に見せた無防備な表情が、最新のデジタルリマスター技術によって鮮明に蘇った。
カメラマンがシャッターを切ったその瞬間、彼女は何を考えていたのか。作り込まれたポーズではなく、ふと視線を外した瞬間の美しさにこそ、坂井泉水というアーティストの本質が宿っている。関係者は「彼女はカメラを意識していないときほど、息をのむような輝きを放っていた」と当時を振り返る。