市立福山は県内有数の進学校であり、放課後の練習時間には厳格な制限が設けられている。完全下校時刻は18時30分。他校の強豪チームが夜遅くまで打撃練習やノックを繰り返す中、市立福山に与えられたグラウンド練習の時間はわずか1時間半から2時間程度に過ぎない。しかも、他部活とグラウンドを共有するため、全面を使った実戦練習ができる機会も限られていた。
このハンデを乗り越えるため、チームが導入したのが徹底した「データの可視化と超効率化」だ。一打席ごとのスイングスピードや投球の回転数をアプリで管理し、選手自らが課題を分析。無駄な待ち時間を徹底的に排除した高速ローテーション練習を考案した。時間を「量」で稼げない分、質と集中力で補うアプローチが、土壇場での集中力と判断力を養う結果となった。