カロナールの主成分であるアセトアミノフェンは、通常であれば約90%が肝臓で無害な物質に代謝・排泄されます。しかし、カロナールとアルコールの併用によって体内の代謝ルートが変貌し、深刻な「アセトアミノフェン肝毒性」を誘発するリスクが生じます。
体内に入ったアセトアミノフェンの一部は、肝臓の代謝酵素「CYP2E1」によってNAPQI(N-アセチル-p-ベンゾキノンイミン)という毒性の極めて強い中間代謝産物に変換されます。通常時であれば、肝臓内に存在する抗酸化物質「グルタチオン」が速やかにこのNAPQIを解毒します。しかし、アルコールが存在することで以下のような致命的な代謝障害が引き起こされます。
- 代謝酵素CYP2E1の過剰活性化:アルコールの分解によってCYP2E1が誘導され、毒性物質NAPQIの生成スピードが急激に加速する。
- 解毒物質グルタチオンの枯渇:アルコール代謝でもグルタチオンが大量消費されるため、NAPQIを無毒化できずに肝細胞が直接攻撃を受ける。
この結果、肝細胞の壊死や急激な肝機能低下が発生します。厚生労働省や医薬品医療機器総合機構(PMDA)の添付文書でも、習慣的な飲酒者やアルコール併用時のアセトアミノフェン投与には「重篤な肝障害を引き起こす恐れがある」として強い警告が記載されています。