散歩道や空き地、線路沿いなどで「いつの間にか群生しているオレンジの花」を見かけた場合、候補となるのは主に以下の3種類です。それぞれの形状や葉のつき方に明確な違いがあります。
ヒメオウギズイセン(モントブレチア)は、7月から8月にかけて細長い剣のような葉の間から茎を伸ばし、濃い朱色からオレンジ色の小花を一列に咲かせます。南アフリカ原産の球根植物で、強烈な繁殖力と耐寒性・耐暑性を兼ね備えています。地下の球根と匍匐茎(ほふくけい)で爆発的に広がるため、佐賀県など一部の自治体では移入規制種に指定されているほどです。庭に植える際は広がりすぎないよう鉢植えにするなどの管理が求められます。
キバナコスモスは、一般的なピンクや白のコスモスよりも早い6月下旬から10月頃まで咲き続けるキク科の植物です。一般的なコスモスとの見分け方は「葉の形状」にあります。繊細な糸状の葉を持つ一般的なコスモスに対し、キバナコスモスの葉は幅が広くギザギザとした羽状の切れ込みが入っています。道端にこぼれ種で自生するほど強健で、鮮やかなビタミンカラーが街路を彩ります。
オニユリとスカシユリの違いも、夏場の野山や道端でよく話題に上るトピックです。どちらも大輪のオレンジの花を咲かせますが、決定的な識別ポイントが2点あります。オニユリは「花が下向きに咲き、花びらが強く反り返り、葉の付け根に黒紫色のむかご(珠芽)が付く」のが特徴です。一方のスカシユリは「花が上を向いて咲き、花びらの根元に隙間があり、むかごは一切作らない」という構造の違いを持ちます。遠目には似ていても、花の向きを見るだけで即座に判別が可能です。