午前10時、イベントが開始されると同時に、会場は割れんばかりの拍手に包まれた。高木がトレードマークの白いスウェット姿で登場し、ステップを踏む。相方の池谷が「なんだこいつ〜!」と叫ぶ。そのお約束のやり取りだけで、集まったファンからは地鳴りのような歓声が上がった。
「本当に人がいる……」。高木は一瞬、言葉を詰まらせたように見えた。かつて誰もいなかった空間に、今は整理券を手にした数千人のファンが並んでいる。握手を交わすファンの手は温かく、高木の目には薄っすらと涙が浮かんでいるようにも見えた。池谷もまた、一人ひとりの目を見て丁寧に感謝の言葉を伝えていた。