2026年現在の株式市場を揺るがす仕手筋の実態は、かつてのような単独のカリスマに依存する形から、匿名化・組織化されたネットワークへと進化を遂げている。裏市場の捜査関係者や兜町の関係筋への取材により浮き彫りとなった、現在注目を集める3つの「黒幕グループ」の実態と手法を追った。
第一に、「旧誠備系・伝統的資金グループ」である。加藤暠の薫陶を受けたとされる古参の投資家ネットワークであり、伝統的な仕手株の手法を踏襲する。低時価総額の銘柄を数か月かけて静かに買い集め、板の薄い時間帯を狙って買い注文を浴びせることで一気に高値を演出する。彼らの手法は堅実かつ緻密であり、出来高のコントロールに長けているのが特徴だ。
第二に、「海外ヘッジファンド装用シンジケート」の存在だ。ケイマン諸島やシンガポールなどのタックスヘイブンに拠点を置くダミー会社を経由し、外資系証券の口座を通じて資金を注入する。一見すると海外機関投資家による健全な投資に見せかけながら、裏では特定のグループと口裏を合わせた株価操縦を行っているとの疑惑が絶えない。
第三に、近年急速に台頭している「SNS連動型インフルエンサー集団」だ。表向きは有能な個人投資家やアナリストを名乗り、X(旧Twitter)や各種投資サロンで特定銘柄の情報(「本尊が入った」「材料が出る」といった噂)を拡散。数万人のフォロワーを一斉に動動員することで人工的な買い圧力を作り出し、自らは一足先に売り抜けるという凶悪な「ポンジ・スキーム」に近い手法を確立している。