結局のところ、読者が感じる「気持ち悪さ」は、作者である羽海野チカ氏の人間観察眼の鋭さと、それを表現する画力の高さの証明でもある。キャラクターたちの表情、セリフの間、モノローグの生々しさは、フィクションの枠を超えて読者の心に直接突き刺さる。
人間は誰しも、綺麗で優しい部分だけを持っているわけではない。嫉妬、執着、自己保身、依存――そうした「見たくないドロドロした部分」を、可愛い絵柄で容赦なく突きつけてくるからこそ、私たちは揺さぶられるのだ。嫌悪感を感じるということは、それだけキャラクターが生きており、読者が物語に深く没入している証拠と言えるだろう。