カレーを混ぜるか混ぜないか?マナーの真相と割合を徹底検証とはどのようなものなのか? 専門的な分析を丁寧に紐解いて紹介します。
しかし、一歩視野を広げてみると「カレーは混ぜないのが絶対の正義」という常識は簡単に覆ります。料理のルーツや地域によっては、「混ぜて食べることこそが最高のマナーであり、最もおいしい食べ方」と定義されている食文化が数多く存在します。
カレーの種類・ジャンル推奨される食べ方文化・歴史的背景編集部の見解・評価日本の洋食カレー(欧風・家庭風)一口ごとにすくう(混ぜない)英国経由のフランス料理マナーに準拠。皿の美観を保つ。ビジネス会食や一般的な外食では混ぜないのが無難。スリランカカレー(ライス&カリー)全体を大胆に混ぜ合わせる複数の副菜(サンボル等)や豆カレーの重層的な味を楽しむ文化。混ぜずに単体で食べるのは、現地の調和の意図を損なう。南インド料理(ミールス)小皿からライスの上で徐々に混ぜる手食文化発祥。サンバールやラッサムを指先で調合しながら食べる。一口ごとに異なる比率で混ぜ、味の変化を楽しむのが本場の醍醐味。大阪「自由軒」名物カレー最初から混ざった状態で提供(生卵を崩して混ぜる)明治43年創業。保温設備がない時代に熱いルーと冷や飯を混ぜて考案。ウスターソースを垂らし、卵と完全に混ぜて食べるのが公式の作法。
例えば、近年のスパイスカレーブームで定着したスリランカカレーでは、パリップ(豆カレー)やポルサンボル(ココナッツの和え物)など、数種類の具材をバナナの葉や皿の上で複雑に混ぜ合わせることで、初めて作り手が意図した「味の完成形」に到達します。これを「混ぜるのは行儀が悪い」と頑なに避けて食べるのは、むしろ料理の本質を損なう行為となってしまいます。
また、大阪難波の老舗洋食店「自由軒」の名物カレーは、創業者の吉田四一氏が「炊き立てでないご飯でも美味しく熱々で提供できるように」と、あらかじめフライパンでルーとご飯を均一に混ぜ合わせて提供したのが始まりです。真ん中に落とされた生卵を崩し、ソースをかけてさらに混ぜるのが100年以上愛され続ける正統派のスタイルです。