あの伝説的な語録が誕生したのは、第87回全国高校サッカー選手権大会の準々決勝終了後のことだ。鹿児島城西高校のエースとして圧巻の得点力を発揮していた怪物に対し、敗れた滝川第二高校の主将・中西隆裕が見せたロッカールームでの涙ながらの独白。それこそがすべての始まりだった。「あいつ半端ないって!後ろ向きのボールめっちゃトラップするもん。そんなん出来へんやん、普通」——悔しさと畏怖が入り混じったその叫びは、飾り気がなく、純粋な真実を突いていた。
当時、大迫勇也が同大会で記録した10得点は、現在も破られていない不滅の最多得点記録となっている。単にゴール数を重ねただけでなく、対戦相手のディフェンダー陣を次々と絶望に陥れた技術とフィジカルの圧倒的な差。カメラが捉えた敗者の素直な敗北感とリスペクトは、後に日本のスポーツ文化に刻まれる巨大な現象へと結実していくのだった。