医療や警察の鑑識捜査で使われる専門用語を見ると、そのほとんどに「取」の漢字が使われています。代表的な例が「血液採取(採血)」や「指紋採取」「DNA採取」です。
血液検査を思い浮かべると分かりやすいでしょう。人体という全体の中から、検査に必要なごくわずかな分量を選び取って体外へ取り出します。決してあちこちから血液をかき集めてコレクションしているわけではないため、「血液採集」と書くのは明らかな誤りです。
犯罪捜査における指紋も同様です。現場に残されたドアノブやガラスコップから、証拠となる皮脂の痕跡を「抽出して確保」するため、「指紋採取」が正規の用語となります。対象が成分・データ・微細な証拠である場合は、迷わず「採取」を選択するのが鉄則です。