短期間で大幅な数値の変化を目指す際、最初に理解すべきは体内で生じる生化学的反応である。人間の体がエネルギー源として貯蔵しているグリコーゲン1グラムは、およそ3グラムの水分と結合している。適切な栄養コントロールによってこの結合水が体外へ排出されることで、初期の数キロという迅速な体重減少が引き起こされる。しかし、ここでの最大の落とし穴は筋肉量の減少に伴うリスクだ。
筋肉が削られると、生命維持に不可欠なエネルギー消費の根幹である基礎代謝が低下し、結果として太りやすく痩せにくい体質へと陥ってしまう。厚生労働省が公表している日本人の食事摂取基準においても、極端なエネルギー制限に対する注意喚起がなされている。日本肥満学会のガイドラインが推奨するように、健康障害を回避しながら効果を最大化させるには、十分なタンパク質の確保が欠かせない。
さらに減量の成否を分けるのが、肥満ホルモンとも呼ばれるインスリンの分泌制御だ。食後の血糖値スパイクを防ぎ、インスリンの過剰分泌を抑えることで、身体は脂肪を蓄積するモードから積極的に燃焼させるモードへと切り替わる。内臓脂肪研究の第一人者である医師の栗原毅氏は、急激な血糖値上昇を抑える食習慣こそが、肝臓や体脂肪に溜まった余分なエネルギーを効率よく代謝させる鍵であると強調する。