公立校で廃止や自由選択化が進む一方、名門私立小学校や国立大学附属小学校などでは、現在も伝統的な正装として半ズボンが堅持されているケースが少なくありません。ここには一般に誤解されがちな「教育的様式美と文化コード」が存在します。
ヨーロッパの貴族階級や伝統校において、少年の短パン(ショートパンツ)は「幼少期特有の無垢さと品格を表すフォーマルウェア」として位置付けられてきました。英国王室の幼い王子たちが公式行事で半ズボンを着用するのもこの伝統に由来します。日本の私立小学校においても、「仕立ての良いウール半ズボンとハイソックスの組み合わせ」は知性・清潔感・伝統校のアイデンティティとして保護者からも高く評価されてきました。
ただし、現在の名門私立校では単なる精神論で寒さを強要しているわけではありません。多くの伝統校では、上質なウール混紡素材の厚手生地を採用する、校内では床暖房や全館空調を完備する、登下校時の指定オーバーコートや防寒インナーの着用を柔軟に認めるなど、伝統のシルエットを保ちながら実質的な防寒機能を担保するスマートな運用へと進化しています。