日芸の最大のアセットは、半世紀以上にわたって築き上げられてきた日芸の著名な卒業生・有名人の圧倒的な人脈網にあります。
脚本家の宮藤官九郎氏や三谷幸喜氏、俳優の真田広幸氏や佐藤隆太氏、写真家の篠山紀信氏、作家のよしもとばなな氏、アニメーション監督の富野由悠季氏など、各界の頂点に君臨するクリエイターたちがこの地から巣立ちました。
なぜ日芸はこれほどまでに時代を牽引する人材を輩出し続けられるのでしょうか。文化社会学的な見地から分析すると、日芸の構造は「美術大学」と「総合大学」の狭間に位置する「ハイブリッド型の梁山泊」であることが分かります。
純粋芸術(ファインアート)を追求する単科美大とは異なり、日芸は創設当初から「大衆社会に向けたメディア表現とエンターテインメント」を正面から見据えてきました。現場で求められるのは、単なる自己満足の表現ではなく、「他者と協働して大衆の心を揺さぶる力」です。江古田のスタジオやアトリエで学生時代から揉まれ、衝突しながら1つの作品を完成させる過程そのものが、プロの現場そのもののシミュレーションとして機能しているのです。